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著者プロフィール


富についての考察  

ドクター木下 執筆


第63話 誰を信用したら良いのか?

 私と家内は、命(ビジネス上の命も含む)がかかっている時、人のアドバイスを無視し、自らの期待に全て掛けることがある。2例を挙げて見よう。一つは30年程前米国から帰国し英会話学校を始めた時、まわりの何人かが、その地域は外国人が大勢住んでいて皆こぞって英語を教えているので畑はすでに荒らされており、経営を成り立たせるのは難しいだろうとアドバイスしてくれた。でも我々は彼等のアドバイスを無視した。又2〜3年前にYouCanSpeak という英語スピーキングの eラーニングシステムを開発しビジネス展開を始めた時も、大半のビジネス経営者達は、eラーニングはことごとく失敗しているから、経費倒れになる前に方針を変えた方が良いと助言してくれた。でもそのアドバイスも無視した。無視した理由は、我々の生活がそれらにかかっていることと、彼等のアドバイスに従ってあきらめたからと言って、彼等が我々の生活を保証してくれるわけではないからだった。我々はただ成功する方法だけを追求した。そして事態は好転した。
  私は人々の助言や行動をどの程度信頼すべきかに関して、4つのレベルがあると思う。信頼度の低い順に言うと次のようになる。@ こちらの成否に何の影響も受けない助言者達。彼等はただ単なる批評家である。我々はいずれ自分の蒔いた種は自分で刈り取ることになるから、批評家の蒔いた種まで刈り取る必要はない。Aこちらの成否に大きく影響されないが、こちらの成功だけを願っている人達。医者や弁護士等はこのタイプに入る。親身になって相談に乗ってくれる友人達もそうであろう。我々は基本的にこれらの人達を信頼するし、又信頼せざるを得ない。B 運命共同体的立場の人達。私は飛行機に乗る時、万が一の時のために心の備えをするようにしている。と同時にパイロットを信頼する。なぜなら乗客にとっての安全確保は、パイロット自身の安全確保でもあるからだ。それで乗客は、パイロットに100%自分の命を託すことになる。ビジネスの場合、win-win 関係にあるかどうかである。何かが起こった時、双方が得するかあるいは双方が損害を被る状況にある場合、我々は互いに信頼することが出来る。この点の見極めが出来ていないと、簡単に悪徳商法にひっかかってしまう。私達夫婦は、最近ビジネスを展開して行く時、極力 win-win 関係だけを築きあげて行くように心がけでいる。C 最後に我々が最も信頼することが出来る人達は、 win-win 関係を超え、友のために命を捨てる人であろう。命を捨てるまで行かなくても、自らに何の利益をもたらさなくても、友のために犠牲を惜しまない人達である。すなわち見返りを求めることなく援助をする人達である。私達夫婦はそういう人に出会ったこともある。友のために自分の命を捨てることよりも大きな愛はない(ヨハネ15:13)と聖書は言っているが、その極めが、羊(=人類)のために命を捨てたよい羊飼(=キリスト)(ヨハネ10:11)であろう。

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