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浜島敏
神様からのメッセージ
-聖書は偉大なラブレター

浜島 敏著 イーグレープ刊


第三章 聖書を翻訳した人たち


ジョン・ロスの翻訳(韓国語)

ジョン・ロスの翻訳(韓国語) 韓国は、今の北朝鮮とあわせて一つの国でした。北は中国と接しています。この国も日本や中国と同じように、外国と交流することをせず、鎖国をしていました。特にキリスト教が入って来るのを警戒していました。政治的にも苦しい状況に置かれていた韓国の人たちは、中国まで逃げて行っていました。ちょっと今の北朝鮮と似ているような状況がありました。また、中国の人たちと商売をするため国境を越えて中国までやって来た商人たちもいました。
中国では、韓国より少し前に宣教師が入るのが許されましたが、韓国との国境に近い中国の東北部に当時満州と呼ばれている地方があって、そこにイギリスから宣教師がやって来て、中国の人たちにイエスさまを伝えていました。ところが、その地方には、韓国から逃がれて来ていた韓国人がかなりたくさん住んでいました。そこで、中国に宣教に来ていたイギリス人たちも韓国人と直接会う機会がたくさんあったのです。
宣教師として満州に来ていた人の中に、スコットランド(イギリスの北部)からやって来ていたロスという名前の宣教師がいました。あるとき、ロスは高麗門と呼ばれる中国と韓国の国境にある門のところで、韓国人の行商人に出会いました。ロスはその人たちやその仲間から韓国語を学び始めました。ロスは、彼らに聖書を教え、やがて彼らはバプテスマを受けて、神さまを信じるようになりました。それから間もなく彼らの助けをかりて、新約聖書の一冊ずつを翻訳していきました。そして、やがて韓国語に新約聖書全体を翻訳したのです。
これに協力した韓国人ソン・ヤンスンは、翻訳しただけでは意味がないと感じました。せっかく韓国語の聖書があっても、中国にいる韓国人にしか伝えられないのでは、残念です。そこで、ソンは、聖書を背負って、長い道のりを韓国まで帰ることにしました。途中、国境では、荷物の中に聖書があるのを見つけられてしまい、牢屋に入れられ、聖書は全部取り上げると言われましたが、不思議にその税関の役人がソンの昔の友人であることが分かりました。そこで、なんとかそこを通してもらい、聖書も返してもらい、歩いて何百キロも離れたソウルに着き、そこで聖書をみんなに読んでもらうために配りました。また、その後ソンは、自分の故郷に帰り、そこでイエスさまのことを伝えるようになりました。これが韓国における最初の教会です。韓国の最初の教会はこうして、外国人ではなく、韓国人の力でできあがりました。

 

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