『結文』
U.あとがき
労働における信仰の働き、特に信仰はどのように労働を回復(変革)するか、を主要課題として考察を行なった。時間的制約から十分に議論を尽くすことができなかったが、資料としてはある程度の範囲で用い得るものが出来たのではないかと思う。
本小冊子の前提部で述べたように、外界の物質的世界の様相は、家庭・職場・社会などの各々の領域によって、又各々の領域内における場所や対象とするケースや対象とする内容等によって、更に対象とする産業の種類、国や地方等によってかなり異なることが予想される。従って、本来は個々の物質的世界について議論を進めなければならないが、本小冊子においては個々の問題を扱うことはせず、全ての場合にかかわると思われる共通的・原則的な観点に立って議論を進めた。従って、本小冊子の内容を実際の労働の個々の場に適用する場合には、本小冊子に示した共通的・原則的なことを踏まえつつ、労働の個々の場に適用できるように内容の調整・追加をして行く必要があろう。
かって宗教改革の時に良き労働はあったし、現在においても幾つかの実例で示したように、良き労働を取り戻すこと、信仰による労働の回復(変革)、は十分に可能である。多くの人が、信仰による労働の回復(変革)の重要性とその可能性を認識し、良き労働、エデン的労働、を取り戻して欲しいと願う。そして、働くことに喜びを持って欲しいと思う。社会、国、世界の変革のためにも、信仰による労働の回復(変革)と喜びにある労働は急務であると思われる。
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