「さらに言われた、「人から出て来るもの、それが人をけがすのである。すなわち内部から、人の心の中から、悪い思いが出て来る。不品行、盗み、殺人、姦淫、貪欲、邪悪、欺き、好色、妬み、誹り、高慢、愚痴。これらの悪はすべて内部から出てきて、人をけがすのである。」(マルコによる福音書7:20~23)
人間の心の中にある悪性なものとは何でしょうか。聖書では罪だと云っています。罪は人に隠しても神に隠すことは出来ません。それがいろいろの悪へと駆り立てるのだとイエスは言うのです。いろいろな悪は、罪と呼ばれる病気の外部に現れた症状にほかなりません。大切なのは、症状ではなく病気そのものです。なぜなら、人を死なせるのは病気であって症状ではないからです。
イエスがこのことを言われた背景は、律法学者たちがかたくなまでに守った食べ物に関する掟であり、慣習でありました。たとえば豚肉はけがれた食べ物であるから、食べてはいけないと規定されていました。あるときシリヤ王が、ユダヤ教を根絶しようとしてかれらに豚肉を食べさせたと云われています。その結果多くのユダヤ人は神聖な契約を破るよりは、むしろ死んだ方がましだと云って死んだと言われています。
これに対してイエスは言いました。食べ物が人を汚すのではありません。人の心から出てくる悪い思いであると言われたのです。だから、われわれは人を汚す悪い思いが芽生えてくるとき、イエスの言葉を思い出して根絶しなければなりません。
瞑想:聖書で言う罪と刑法上の罪の違いは何ですか。
賛美:聖歌472 「人生の海のあらしに」
祈り:主よ、悪い思いを取り去ってください。アーメン。