賛美のこころ 工藤篤子

 


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賛美のこころ
賛美のこころ
ー主のみ顔を仰ぎつつー

ISBN978-4-903748-02-3
C0016 Y1500E
定価:[本体1,500+税]
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イーグレープより発行

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工藤篤子
プロフィール

第四章 伝道師就任――神の召しと選びによって

修復の時・証しの時

 すでに書いたように、私がドイツに移る時、恩師・マリミ先生を始め友人たちはこぞって猛反対しました。その後私がコンサートのためにドイツとスペインを往復する中で、彼らとの交わりを修復する時が与えられました。以来今日まで、会うことがそのつど、私のうちに働いてくださる主のみわざを証ししていく機会となっています。主のみわざはくすしきかな!
  二〇〇二年、マドリッドに行った折には、マリミ先生が食事に招待してくださいました。その席で彼女のご主人が「福音派の信仰のあり方について話してくれないか」と私に真剣な顔で聞くのです。彼は昔、私の信仰を嘲笑していた一人でした。私はイエス・キリストのうちにある「いのち」の素晴らしさについて、体験をとおして簡潔に語りました。するとご主人は、彼らの家に数日滞在してもっと詳しく話を聞かせて欲しいと頼むのでした。
  マリミ先生はカトリックの信者ですが、純粋な信仰の持ち主なので、霊的な話が通じるのは私にとって特にうれしいことです。私は彼女をマドリッドのお母さん≠ニ呼んで、いまだにドイツから電話をかけたりしています。
  かつてマリミ先生は、スペインの著名な作曲家・ロドリーゴの歌曲をかなり初演してきました。それでロドリーゴの娘さん・セシリアとも親しいのです。マリミ先生のおかげで私もセシリアと知り合いになり、その音楽サロンにも出入りさせていただいてきました。後年、スペインの国内コンサートツアーで、ロドリーゴの歌曲全九十曲を歌いました。彼の歌曲は音域が広く、ソプラノ歌手は低音域が出せず、アルト歌手では高音域が出せないという難物です。歌手の人選の時、セシリアが「アツコなら歌える」と太鼓判を押してくださって実現できました。その折には国王とも会話を交わす機会が与えられました。

 


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