賛美のこころ 工藤篤子

 


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賛美のこころ
賛美のこころ
ー主のみ顔を仰ぎつつー

ISBN978-4-903748-02-3
C0016 Y1500E
定価:[本体1,500+税]
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工藤篤子
プロフィール

第七章 み手の中で、これまでも、これからも

神の国とその義を第一として

音楽ミニストリーの働きも七年目に入りました。
当初父は「来年、仕事の予定は入っているのか。どうするんだ。大丈夫か?」と何度も心配してくれました。友人たちも「篤子さん、来年やっていけるの?」と気にかけてくれます。
「私ね、食べ物と着る物があればそれで本当に十分なのよ。それに聖書にはこう書いてあるでしょ。『神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。』って」と答えるものだから、ある人は感嘆したように言いました。「ハァー、確かにそうねぇ。そんなふうに考えたことはなかったけど、聖書には確かにそう書いてあるものね」

この働きの会計を担当してくださっている世話人さんは、最初のころ赤字の時などしばしば夜寝られなくなったそうです。私が「足りなければ足りないでいいのよ。神様は必ず必要を満たしてくださるんだから」と言うと、「篤子さんは預金通帳を見てないから、そんなのんきなこと言ってられるのよ」とたしなめられてしまいました。
ところが、たとえば支払日の五日前に収入が0の時でも、支払当日になると費用が必ず備えられてきたのです。
その後世話人さんも言い方が変わってきました。
「そうやって神様のみわざを見せていただくのよね。最近は騒がないで『あなたこそ必要を満たしてくださるお方です』と信頼して待つようになったわ」
コンサートのスケジュール調整においても、神様は最善をなしてくださることを何度も体験してきました。
コンサートのスケジュールは、先にご依頼をいただいたところから順に、ダブルブッキングがないように予定表を埋めていきます。ところが、先に依頼してくださった方がいきなりキャンセルしてくる場合があるのです。その方を優先したために、他の依頼主を断ってしまった時など、がっかりしたものでした。

しかし、そういうことも神様のご計画のうちにあったことだとわかってきました。というのは、キャンセルした日の前日の公演で予想外の出来事が起こりました。それでだいぶ疲労しましたが、次の日の公演がなくなった分、十分休むことができたので、その後の公演に全力を注ぐことができたからです。まさに「のち知るべし」でした。
でも音楽奉仕の働きが軌道に乗りはじめると、さまざまな攻撃や誘惑もやってきます。伝道の働きを阻止しようとするサタンの妨害であったり、私たちが世的なことに目が向くようになったり、肉的に動き始めた結果である場合もあります。しかし勝利の主は、そのすべての問題を通して、私たちが主にのみより頼むよう教え諭そうとしてくださいます。ですから、いつも目をさまして、一つひとつ神様に問い、主の語りかけに耳を傾け、みこころだけを求めていかなくてはなりません。
例えば、この働きが運営面で採算が合うか合わないかとか、上手な宣伝方法は何かといった方法論に目が行きはじめると、神のわざでなく音楽ビジネスになってしまいます。確かに運営面で赤字にならないことも、より多くの方々に来ていただくために効果的な宣伝方法を考えることも大切なことだと思っています。しかし、経費の満たしも、宣伝方法も、コンサートへ来てくださる方も、私たちが神の国とその義とを第一に求める時に、すべて神によって与えられるものなのです(マタイ六・三三)。

ですから私たちはこの順番を逆にしないよう、神の国とその義とを求める前に、コンサートの運営方法や利潤を求めてしまうことのないよう、よくよく気をつけていかなければならないと思っています。

 

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