計画を立てる
目標を見いだすとそれに向かっていくのが自分のやり方である。現在の可能性は考えずに、まず理想像を持ち、そのために綿密に計画を立てて、信仰によって祈りつつ実現していくこと。これが私の方法である。
私のような目的志向型人間の弱点は、目的がなくなった場合にきわめて怠惰になることであろう。だからこそ絶えず高い目標を抱き続けなければならない。目標は高ければ高いほどよい。それだけやりがいがあるからだ。
大学への就職という目的を果して、ふり返ると子供の育児や神学の学びや授業などに時間をとって専門の研究がおろそかになっていたことを示された。また、岩波書店から本が出版されたことに安住して自分が怠惰になっていたことも示された。自己満足ほど人を堕落させるものはない。自己満足は傲慢の罪である。人は、たえず貧しい心をもたねばならない。みずからの弱さ、いたらなさをたえず意識して神様に助けをもとめながら歩まねばならない。
命令がくだったその日のうちに長期計画を立てた。五年後を目標として、それまで新たに宗教の研究を進めながら、従来の研究をまとめることにした。
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