Back No <1> <2> <3> <4> <5> <6> <7> <8> <9> <10> <11> <12> <13> <14> <15> <16> <17> <18> <19> <20>
<21> <22> <23> <24> <25>

マルセまゆみ

 

 

 

 

 

 

マルセまゆみ
プロフィール


 「愛国心」

 教育基本法の改正案の中で、「愛国心」をどう表現するか、が注目された。「愛」は最高のものである。「心」は全ての人間が持っている。では、「国」とは何だろう?また、その「国」を愛する心、というのは、どういうものなんだろうか?

  私には芸の道での尊敬する師匠がいた。マルセ太郎師である。師匠は苦しんだ末に日本への帰化を選んだ在日朝鮮人二世であった。その師匠の十八番に「愛国心」をテーマにしたものがあった。『愛国心は悪いものです。』で始まるそのネタに大抵の人は度肝を抜かれる。『愛国心が正しいのは、他国に侵略された時、民衆の中から沸きあがるレジスタンスの時だけです。』と続く。『フランスがナチスドイツにより占領されたのち、連合軍の助けにより解放を得たが、その時、凱旋門通りをパレードした。連合軍は仏軍に敬意を払い、先頭は彼らに譲っての勝利の凱旋であった。仏国民は狂喜乱舞である。若い女の子達は車の上の若い兵士達に抱きつきキスをし、(さすがフランス人!!)共にダンスをし、勝利の叫びをあげ・・・と、その時、どこからともなく国歌“ラ・マルセイエーズ”が・・・あちらでも、こちらでも。その喜びの歌声は次第に一つとなって・・・、これこそ真の愛国心ではないでしょうか?!

  ところで、みなさん、これを日本でもやりましょうよ!ロシアに占領された日本が米軍の助けで勝利を得、皇居のお堀をパレードしていると、どこからともなく「君が代」が!・・・で、盛りあがり・・・という訳にはいかないんです。「君が代」は、「ご起立願います。」で、きちっと姿勢を正して斉唱しないといけない歌なんです。「1・2・3・ハイ」と、誰か指揮する人がいないと歌えないんです。で、提案なんですが、いい歌がみつかるまで、暫く「東京音頭」でやりましょう。「踊り踊るなあらーチョイト。」(チャンチャン)』とても深い作品であった。侵略された側の人間しか作れないものなのかもしれない。

  ところで、私は今、「カーネル神学校」(正式には、USAカーネル大学神学部日本キャンパス)の神学生(正式には修士課程)である。ここには現在、日本、中国、韓国の三つの国の学生が集っている。アメリカで牧会する韓国人の先生が講義し、それを日本で牧会する韓国人の先生が日本語に通訳し、それを日本語の解る中国人の牧師が、中国人の生徒たちに中国語に通訳する、といった状況だ。共通語が片言の英語だったりする。で、この三つの国の学生が共に賛美し、踊り、笑いあう。調和のとれた三つ縒(よ)りの糸である。ハレルヤ!神様はその光景をとても喜んでいらっしゃるだろう。

  「愛国心」って何だろう?西郷隆盛の「敬天愛人」という言葉がある。「天を敬い、人を愛す。」「愛国心」をこのような素晴らしい表現に変えられるだろうか?

  「愛国心」の国を国々にして「愛国々心」・・・いいづらい。「愛国心」の国を、人に変えて「愛人心」・・・テレサ・テンだ。えいっ。もう、いっそのこと、「愛国心」の国心をとって、「愛」だけにしちゃったら? そうすれば、「愛国心」問題も、「宗教教育」に関しても一挙に解決だ。
我ら、クリスチャン党の「教育基本法」案は「愛」。以上。・・・というのは、如何でしょうか?

  「神は愛です。」(第1ヨハネ4:16)

top

Copyright (C) 2004 e-grape Co.LTD. All Rights Reserved.