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著者プロフィール


バイブルメッセージ   

−わたしたち人間の能力ではできない仕事を、あえてさせてくださる神−

森正行氏

5.神はどんな仕事をさせるのか?
(5)  この世の規制・制度を越えた仕事
 動かしがたいものに囚われない生き方があります。
この世には、一個人では動かしがたいと思われる制度や権力者の存在、伝統や慣習がたくさんあります。
しかし、すべてのものの支配者は神です。
クリスチャンと共にいてくださる神は、この世の一人一人を支配しているものをどのようにでも動かすことができます。
ですから、私たちクリスチャンは、神の御心に従う時、制度や指導者、伝統を尊重する必要はありますが、それに囚われる必要はありません。規制や制度、権力者の発言、伝統や慣習を超えた、神のご計画に参加することができます。

 国の定める法律や条例、制度、会社や組織内での規則、規定は、人々が社会生活の維持のために定められたものです。
 歴史のある組織には伝統や慣習があります。
これらは普通、社会秩序を守るために先代の人々が考え築き上げてきたもので、人々が尊重し、守るべきものです。
 しかし、法律や制度は万能・完璧ではありません。
この世の現実に十分対応できないものや、時代遅れのもの、整備不十分なものも多々あると思われます。
また一部の人々の利権のために定められた制度や、非社会的な指導者の定めた制度が生まれることもあります。
さらに、定められた法律や制度には、罰則と言う強制力があり、伝統や慣習には、それを破る者に対しては白眼視されるようなことがあります。
ですから、多くの人々の心には、法律や制度に不条理を感じることがあっても、伝統や慣習に不満があっても、「自分には動かしがたいものだ」、あるいは「伝統に反することをすると、きっと自分に対する評価が下がる」などの恐れが伴います。

 旧約聖書のダニエル書に登場する人物たちは、まさに伝統や慣習、一部の人々の利権のために定められた強制力のある制度に対して、神を信じ信頼した者たちが、そのような伝統や慣習、制度や法律に囚われず、すべてのものの支配者である神と共に歩み、土俵際において守られ、動かしがたい慣習や法律さえも変えられてしまった物語です。

 ダニエルは、王の食べるごちそうや王の飲むぶどう酒で身を汚すまいと心に定め、身を汚さないようにさせてくれ、と宦官の長に願った。神は宦官の長に、ダニエルを愛しいつくしむ心を与えられた。宦官の長はダニエルに言った。「私は、あなたがたの食べ物と飲み物とを定めた王さまを恐れている。もし王さまが、あなたがたの顔に、あなたがたと同年輩の少年より元気がないのを見たなら、王さまはきっと私を罰するだろう。」そこで、ダニエルは、宦官の長がダニエル、ハナヌヤ、ミシャエル、アザルヤのために任命した世話役に言った。「どうか十日間、しもべたちをためしてください。私たちに野菜を与えて食べさせ、水を与えて飲ませてください。そのようにして、私たちの顔色と、王さまの食べるごちそうを食べている少年たちの顔色とを見比べて、あなたの見るところに従ってこのしもべたちを扱ってください。」世話役は彼らのこの申し出を聞き入れて、十日間、彼らをためしてみた。十日の終わりになると、彼らの顔色は、王の食べるごちそうを食べているどの少年よりも良く、からだも肥えていた。そこで世話役は、彼らの食べるはずだったごちそうと、飲むはずだったぶどう酒とを取りやめて、彼らに野菜を与えることにした。神はこの四人の少年に、知識と、あらゆる文学を悟る力と知恵を与えられた。ダニエルは、すべての幻と夢とを解くことができた。彼らを召し入れるために王が命じておいた日数の終わりになって、宦官の長は彼らをネブカデネザルの前に連れて来た。王が彼らと話してみると、みなのうちでだれもダニエル、ハナヌヤ、ミシャエル、アザルヤに並ぶ者はなかった。そこで彼らは王に仕えることになった。
ダニエル書1:8−19
ダニエル書2:1−49 
王の見た夢を解き明かさなければ、王の命により殺されるという制度が定まった時、神の働きによりダニエルは全国の総督に任命されることになった物語。

ダニエル書3:1−30 
王の命令により、偶像の礼拝に対する違反者は焼き殺されるという法律が制定された時、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴたちが王の命令に反したため、火あぶりの刑に処せられるが、神の働きによって、王が悔い改め、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴたちの地位を高めた物語。

ダニエル書6:1−28
ダニエルをねたむ大臣たちの策略により悪意のある法律が制定され、ダニエルがライオンのいる穴に投げ込まれるものの、神の守りと働きにより、王が悔い改め、悪者たちが滅ぼされ、ダニエルの神がたたえられ、ダニエルが国の指導者として立てられた物語。

 私たちクリスチャンが、神の御心に忠実に従って歩む時、また愛を尽くしていく時、制度の壁にぶつかってしまうことがあります。それは、個人の力でも団体・組織の力でも動かないことがあります。しかし、クリスチャンが神の御心に従っていく時、定められた制度は、時として、神が働き、変えられていくことがあります。

見よ。天ともろもろの天の天、地とそこにあるすべてのものは、あなたの神、主のものである。
申命記10:14
「地とそこにあるすべてのもの」とは、動かしがたい法律や制度、、権力者の発言、伝統や慣習なども含まれるのです。
強引にこじ開けたり、変える必要はありません。しかし、妥協したり、あきらめる必要もありません。罰や世間の評価を気にしたり恐れることはありません。「そのようなものに囚われず神の喜ばれること、神の御心に従っていこう」と志すことです。
そうすれば次のような約束があります。

志の堅固な者を、あなたは全き平安のうちに守られます。その人があなたに信頼しているからです。
イザヤ26:3

 あるひとりの女の子が、神の前で、日曜日の礼拝を大切に守りささげていく決心をしました。ところがその女の子が通う学校では、その年の修学旅行は日曜日を含んだ日程を組みました。女の子は日曜日の神への礼拝を大切にするため、修学旅行に行かないことを決めました。やがて担任の先生が女の子に説得を始め、校長先生までもが修学旅行に参加するよう求めてきました。しかしその子は、礼拝を大切にし続け、先生たちの前で旅行を断りました。それから間もなく、修学旅行の日程は、日曜日を含めずウィークディの中で行われることを学校が決めました。女の子は、礼拝を守りつつ、修学旅行にも参加しました。動かしがたい日程を、女の子の信仰を見守った神が変えられたのでした。

祈り
 「私たちの天の父よ、御名をあがめます。
 神様、私たちは今、神様がすべてのものの支配者であることをあらためて知りました。
私たちは今まで、自分たちの力では動かしがたいものに対しては、この世の定めた制度に対しては、それが変えられないものと思い込み、妥協したり、あきらめたりすることがありました。しかし、今、わたしは神様がすべてのものの支配者であり、愛のためならば、御心ならば、どのような動かしがたいものも、あなたは変えることができる方だと信じます。神様、わたしたちが動かしがたいと思うもののために、心ふさいだり、あきらめたり、妥協したりせず、また制裁を恐れたりせず、神様の愛の御心に忠実に従う者と導いてください。
この願いをイエス・キリストの名によってお祈りします。アーメン。」

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