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クリスチャンと人生 その2


中島 總一郎


11、愛なるキリスト

11−1 イエスに見る神の栄光

 「御子は神の栄光の輝きであり、神の本質の真の姿である」(ヘブル一3)とある。また、「神を見た者はまだひとりもいない。ただ父のふところにいるひとり子なる神(イエス・キリスト)だけが、神をあらわしたのである」(ヨハネ一18)とある。
  イエスは神をあらわし、神を見たければイエスを見ればよいと言われる。そして、イエスは神の本質の真の姿であって、神の栄光を示しており、イエスには神の栄光が輝いていると言われる。
  イエスのどこに神の栄光があるのか。どこをどう見ても「神の」と形容されるような荘厳で力に満ちた栄光など見られないではないか。神の真の姿である栄誉と輝きに満ちた栄光などは、どう見てもイエスには見られない。彼に見るのは、侮(あなど)られ、嘲(あざけ)られ、人に捨てられ、卑しめられることに、ただ耐えて貧しく歩む姿だけである。
  ところが、イエスに神の栄光がある。イエスに神の本質の真の姿がある。イエスを見れば神が分かる。神を知りたければ、イエスを見ればよい。
  人の栄光と神の栄光は異なる。人が求める名誉や称賛、権威や富裕のような栄光と神の栄光とは異なる。神の栄光を人の栄光と同じレベルにまで引き下げ、人の栄光と同種、同質のものだと考えて、それを神に求めるから、人は神の栄光を見ることができない。
  主イエスが十字架にかかる時が近くなったときに言われた、「人の子が栄光を受ける時が(いよいよ)きた」(ヨハネ十二23)。イエス・キリストにある神の栄光があらわれるクライマックスの時がついに来たのである。イエスにある神の栄光が目に見える時が来た。それが十字架である。
  神の栄光は、神の子さえなぶり殺しにするまで落ちた罪深い人類であっても、なんとか救おうとされる神の愛のうちにある。神の栄光は愛である。神の栄光の本質であり輝きは、耐えて忍んで無条件に赦す、神だけが持っておられる愛(アガペー)である。
  神の栄光を人の栄光の中に探してもない。神の栄光は人の栄光と比べても格段に高い所にあり、人が求めるような栄光とは異なる。神の栄光はイエスのうちにあらわされている。イエスを見れば、神の本質が分かり、あわれみ深い神の真の姿の栄光を見ることができる。その栄光は神の愛である。

 

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