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クリスチャンと人生 その2


中島 總一郎

12、愛の中に生きる

12−1 二つの最上級く

 最上級〜estのものは一つしかない。一つしかないから「最上級」なのである。ところがイエス・キリストは、「律法の中で、どのいましめがいちばん大切なのですか」との質問に対して、一つではなくて二つ答えられた。神を愛することと隣り人を愛することである(マタイ二二36〜40参照)。
  二つでは最上級ではない、どちらかが最も重要ないましめであろうに、この二つがいちばん大切ないましめであると言われる。
  なぜか?それはこの二つが一つであって不可分のものだからである。神を愛することの基盤の上に人を愛することが成り立ち、展開されるからである。神を愛することなくして、真に人を愛することはないし、神を愛する者は必ず隣人を愛するからである。
  だから聖徒ヨハネは言う、「『光の中にいる』と言いながら、その兄弟を憎む者は、今なお、やみの中にいるのである。兄弟を愛する者は、光におるのであって、つまずくことはない」(Tヨハネ二9、10)、「愛さない者は、死のうちにとどまっていて、・・・・・・そのうちに永遠のいのちをとどめてはいない」(Tヨハネ三14、15)と。隣り人である兄弟を愛する者には神が共にいて下さり、愛さない者には神も共にいて下さらない。このように神を愛することと隣り人を愛することは、二つの別々のことではなく、不可分な一つのことなのである。
  私たちは兄弟を愛さなければならないことを知っており、隣り人を愛したいとも思う。しかし、実際はそれができていない。隣り人を愛することができないのは、兄弟を愛することと一体不可分の神を愛することをしていないからである。
  神を愛することができていないのは、神が自分をどれほど深く愛して下さっているかを知らないからである。神が自分をどんなに深く愛して下さっているかを本当に知った者は、神を愛さずにはいられなくなる。神に愛されていることを知って神を愛するようになった者は、こんなに自分が愛されていることを知って、隣り人を自然に愛する者となる。

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