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「今日は生えていて、明日は炉に投げ入れられる野の草でさえ、神はこのように装って下さるのなら、あなた方にそれ以上よくして下さらないはずがあろうか。」
                                  (マタイによる福音書第六章三十節)


   

  二十年ほど前から、毎月のように、農業体験の交流会や家庭菜園で土と自然に触れてまいりました。肉体的に精神的につらいときでも、この言葉を思い起こしながら、農作業をしていると心の平安と感動を覚え、新たな活力が与えられるのです。
  時には嵐が襲い、時には日照りが続くときでも、作物や草木は太陽と雨の恵みをいっぱいに受けて育ちます。こちらの手抜きによって育ち方はいろいろになりますが。まだ寒さが厳しい頃に植えたジャガイモがイースターの頃に、復活されたキリストのように地面から芽を出している光景を目にしたときや、夏、一面の草が畑の地面をおおっている中で葉の影に隠れて大きくなったスイカを発見したときなどの感動といったらとても言葉に言い表せないものがあります。
  神様は、自然の美を創造された最高のアーティストであると同時に、最良のファーマーでもあります。イエスは、私はまことのぶどうの木、私の父は農夫であると仰いました。私たちが作物であるとすれば、神様は農夫として私たちを守り育てて下さいます。時には、余分な枝を切り落としたり、余計な実を摘果したりされますが、その厳しさは私たちを育てるための本当の愛から出るものなのです。私たちがぶどうの木につながっていさえすれば、実を豊かに結ぶことが出来るのです。何も心配することも思い煩うこともないのです。
  最近は、飽食の時代、エネルギーの浪費社会にあって、私たちは、神の恵み、自然の恵みに対する感謝を忘れがちです。「もったいない」という言葉が近年見直されていますが、私たちのいのちを支えてくれる食物、その作物を育ててくれるお百姓さん、豊かな土壌を管理し、太陽と雨を降らせながら万物を支配しておられる神様の愛に、心から「もったいない」と常に感謝の祈りをささげたいものです。この創造主であられる神の恵みと自然の営みに感謝する心こそが、地球環境を守ろうとする私たちの行動の原点ともなると信じています。            

(農林水産省農林水産政策研究所所長 小西孝蔵)

 

 

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