クリスチャンビジネスマンへの朗報
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>> 『参考文献』
〜信仰による労働の変革〜

アガペコミュニティーチャーチ 門谷 ユ一


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目次


V.神から離れた労働の姿

6.我が国における労働の現状と具体的な問題

 以下に、我が国における労働の現状と具体的な問題について簡単に触れる。

(1)我が国における労働の現状
我が国における労働の現状を知るには、先ず政府がどのような労働観を持っているかを知ることが早道であろう。このため日本政府・厚生労働省編の「労働経済白書(平成17年版)―人口減少社会における労働政策の課題」[22]を見てみたい。残念ながらこの刊行物における労働に関する内容は、基本的には経済的な繁栄を維持するために、又自己実現や能力発揮のために、労働はどうあるべきかという観点で書かれており、労働の倫理に関する記述を殆ど見出すことができない。これは、罪の中にある人間の労働の姿、労働偶像化の姿、をそのまま露呈している。そしてその内容は、一般恩恵の枠内での祝福を求めるにとどまっている。

(2)我が国における労働の具体的な問題[22]
以下に我が国の現在の労働状況に見られる幾つかの具体的な問題を示す。

(a) 雇用問題:ここ数年完全失業率は4.5%〜5.5%の高水準で推移している。働きたくても働けない人が増えている。雇用機会の不平等が拡大してきている[24]。

(b) 環境問題:環境破壊が進展し、世界の正しい管理という労働の究極の目標は犯され続けている。

(c) 労働が搾取と抑圧の対象となっている。2003年の年間総労働時間は、日本は他の先進諸国と比較して長い。日本1975時間、アメリカ1929時間、イギリス1888時間、ドイツ1538時間、フランス1525時間。又、残業は、サービス残業分を入れないとしても、長期的に増加している。数年前に、日本の労働基準監督局は、賃金の支払われない残業を止めさせる運動を開始し、600社以上の企業に対し、無報酬でなされた残業について80億円以上の補償をするよう命じた[24]。

(d) 成果主義的な昇進制度や賃金体系を導入する企業が増加してきており、企業における労働環境は、益々厳しくなって来ている。そして賃金の不平等が拡大してきている[24]。

(e) 今日的な「職業意識」の問題、例えば「労働の苦痛や困難」、「むなしさ」、「現代人は病んでいる」、「荒廃した人間性」、「自己の生きがい」、「自己疎外」、「意味の消失」、「心身症的症状」、「神経症的症状」等が、以下のように顕在化してきている[25]。

・心病む者の増加:心身の健康確保が必要になってきている。実際に対応している事項としては、メンタルヘルス対策の増加:
2002年度24.5%、2004年度37.4%
労働時間・労働密度など心身の過重負荷要因の対策:
2002年度15.6%、2004年度27.8%

・フリーターの増加:
   1982年の50万人が2004年には213万人に増加している。若年無業者が64万人に上がり、なまける者、働かない者が増加している。若年者に主体性がなく、逃避的な姿勢が現われている。
・ニートという言葉が立法・行政・マスメディアを中心に話題となっている:
  ニートとはNot in Employment, Education or Training(NEET)の略で、「職に就いていず、学校機関に所属もしていず、そして就労に向けた具体的な動きをしていない」若者を指す。現在、日本にはニートに分類される若者の数は68万人と言われている。労働政策研究・研修機構の小杉氏はニートを四つに類型化している。

ヤンキー型 ―反社会的で享楽的、今が楽しければいいというタイプ。
ひきこもり型―社会との関係を築けず、こもってしまうタイプ。
立ちすくみ型―就職を前に考え込んでしまい、行き詰ってしまうタイプ。
つまずき型―いったんは就職したものの早々に辞め、自信を喪失したタイプ。
又、東京大学の玄田氏はニートを以下のようにとらえている。

失業の理由としては、
(イ) 需要・・経済状況・産業構造の問題(主に年齢のミスマッチ)・・景気回復など。(ロ) ミスマッチ・・@技術・技能の問題(スキルのミスマッチ)・・能力開発など、A希望するものがない・何をしたいのか分からない(こころのミスマッチ)・・大きな課題。又支援については(仕事と個人の関係からとらえる)、
(イ) 個別単位の支援・・若者全体への支援ではなく、あくまでもその人、個人への支援。
(ロ) 主役は「地域」・・ バーチャルな情報ではなく、自分で足を運び五感で実感する。(ハ) 各機関の名目以上の連携・・この層への支援はNPOが進んでいる。また名目だけの連携はいらない。今後、ニートの若者層への支援が進む中で、「育て上げ」ネットも積極的に行政、地域との関わりを持っていきたいと述べている。

7.まとめ
神を信じない人間の労働について見てきた。神から離れた人間の労働は、一般恩恵により現在の状態に保たれてはいるものの、あるべき本来の労働の姿からはいかにかけ離れたものであるかが分かる。罪の故に、世界管理という労働の究極的目標は見失われ、労働は神と隣人に仕えるよりも、自己達成と物質的な富の獲得に主体が置かれ、偶像化してしまった。神の祝福が受けられないため、労働を喜びと感じるよりも苦痛と感じるようになり、労働の成果も限られるようになった。そのため競争が生じ、人間関係は利害関係の中に埋没するようになった。そのため心病む者が多く出るようになり、又数多くの環境問題が起こるようになり、人類の生活を脅かすものとなりつつある。
では神を信じることによって、現在のこのような悲惨な労働は、どのように変革されうるのであろうか。以下にこの点について考察を行なう。

(神から離れた労働の姿総括) 

神から離れた労働の姿(神の一般恩恵有)



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