「叫ぶ石」

川端 光生


著者プロフィール

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うそ発見機
残るもの
私は惨め
快適な生活
人生にエラーは普通
一流の条件
ブームは必ず去る
加藤嘉明の皿
絶対音感
苦しみの時に
50年前のエチケット
山形人の謙虚
主に交われば
科学が聖書の理想を
「はい」は「はい」
コペルニクス的転換
豊かな涙を流す
あなたの宝物
錯覚してませんか
自己実現で満足か
美人の基準
真価が問われる時代
N姉を偲んで
崩壊前夜の平和(上)
崩壊前夜の平和(下)
キリストを信じても
最も大切なもの
五十嵐建治
覚悟
神棚、仏壇を処分
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キム・ヨンギ
これを唱えなさい
祈りなしには生きられない
私は冬の木
正しい人ほど悔い改める
信仰が重荷になる理由
一歩前へ
クリスマスを祝う
平和を実現する人々
百円ショップ
憎悪は愛の哀願

快適な生活

 作家の中野孝次氏は、テレビ、電話、冠婚葬祭など余計なものを排除しながら晩年を送りましたが、それでも捨て去れないものが酒の楽しみでした。午後は間食せず水分も控え、体調の下拵えをしながら、日が暮れたときのことを思って心をおどらせ、そして犬たちをはべらせて独り酒の至福の時を味わったそうです(天声人語919から)。

 独り酒の至福を高めるために禁欲の午後を過すというのは、見上げた根性だと思います。しかし、私には理解できない世界です。まず、酒のための禁欲というのがわかりません。私はコーヒーは好きですが、その味わいを高めるために半日何かを絶とうとは思いません。鮨は大好物ですが、夜豪華な鮨が待っているとしても、昼を抜いてよりおいしく食べようとも考えません。飲食自体の味わいにそこまでの価値を認めないからです。「独り酒の至福を高める禁欲の午後」というのは、空虚にしか感じないのです。

 もう一つは「独り」です。虚無的な生活をしていた若い時は「独りの楽しみ」を大事にしていました。その頃なら中野孝次氏の晩年は理想と思ったかもしれません。しかし、クリスチャンとして生きるようになってからは、飲食も他の楽しみも人と共に味わうことに喜びを感じるようになりました。

 パウロは「酒に酔ってはいけません・・・御霊に満たされなさい」と(エペソ5・18)と命じています。中野氏が「夕べの独り酒」のために禁欲した以上に、「神の国」や「聖霊に満たされること」を思って心をおどらせ、「聖徒の交わり」の喜びを深めるために、何かをがまんし、心を整える毎日を送りたいと思います。あなたは何をがまんしますか。


 

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