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著者プロフィール


ライフワークの発見と実現


黒川知文


今すべきことに集中

 大学四年になると聖書研究会の会長を降りて、有能な後輩に会を任せた。かつて中学時代に、生徒会長を二期勤めて、あまりにその影響が強く後継者が育たなかったことと、自分の勉学が疎かになったことの反省から、この決心をした。長く「君臨」すると私物化しかねない。それを避けた。そのために、大学最後の一年は、かねてから目標としていた聖書の学びと卒業論文研究に思う存分打ち込めた。今神様からなすべきこととして与えられている物を真剣にしていくとき、神は次の段階へと導いてくださる。怠けて今すべきことをしないと、神の導きもとりそこなってしまう。これは、大学受験で失敗したみずからの経験の反省から学んだことでもあった。

 第一の目標の聖書の学びとしては、一年間通って確信をもって故郷の教会から転会した教会の神学校の信徒教育科の学びをすることにした。すでに転会した時にその科の初級資格は獲得していた。そこでこの一年で、中級と上級とを獲得する計画を立てた。中級は、長老となる資格のひとつであった。また、上級は、主務長老の資格のひとつであるが、当時この上級を取得した者は二名だけであった。これらの資格を取得するためには、相当な数の神学書、聖書注解書を読んで、リポートを決められた枚数書いて提出しなければならなかった。東京神学校の聴講もしながら、私は空いた時間をこの学びに費やした。そして、その結果、大学の卒業式を終えた春休みに、ついに上級までのリポートを完成することができた。

 さらに夏休みには、故郷の宣教師から強く依頼されて一か月の間、母教会の高松聖書教会と元山キリスト教会の礼拝説教を受け持った。信徒説教を勧めるカックス宣教師の依頼に対して「神学の教育がありませんので」とそれまでは断っていた。だが、この時は、半分神学生であり、また、「必要による召し」という誰かから聞いた言葉が心に残っており、説教をさせていただいた。説教準備で聖書の学びがより深く実践的になった。またこの時初めて、教会員の方からお世辞ではない、「説教で教えられました」との感想をいただいた。うれしかった。

 第二の目標は、卒業論文の作成であった。ロシア文学者の原卓也教授(故人)が指導して下さり、ロシア正教の中の急進的セクトである分離派(ラスコール)と農民運動との関係をテーマにした。夏休みは、郷里の香川大学図書館に毎日通って、英語の史料を読みこんだ。

  今すべきことを神から与えられた物として忠実に行えば、神様は必ず進路を示してくださると確信して、聖書の学びと卒論研究に集中した一年。やはり神様は、土壇場になって行くべき道を示してくださった。  

     

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