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著者プロフィール


ライフワークの発見と実現


黒川知文

神様が備えられた指導教授

  四月十日。新学期が開始されるに先だって、進学した大学院生のためのガイダンスがあった。そこで、教員紹介が行われた。仏教専門の先生、新宗教専門の先生、宗教現象学専門の先生、そして二人の助手。どの先生もやはり宗教を専門とされているためか、柔和な人柄である。そして、指導教授の紹介となった。私は世界史上における宗教運動の比較をやりたいと思っていたので、それに関する著作のある新宗教専門の先生が指導教授になると思っていた。だが、私の指導教授はその先生ではなかった。
 神様は時には私たちの予想に反することをされる。驚いたが、今から思うと、私に、まさにふさわしい指導教授を、この時に神様から与えられたのであった。
 五月九日新入生歓迎会が山上会館において開かれた。山上会館とは、私の尊敬する、故矢内原忠雄総長が、かつて聖書研究会を開いていた所である。今は立て直されて、現代的な建物となっている。
 宗教学科に進学した学部生と大学院生と、教員と、先輩の大学教授が一同に集まった。自己紹介の後の会食の時に、指導教授が私の所に来られて、研究室で懇談する日時を決めた。大柄でやさしそうな目をした教授であった。
 五月二一日午後。指導教授の研究室に行った。前面を蔵書に囲まれ、部屋を本箱でふたつに仕切り、入口側にソファが三脚置かれていた。
 「やあ、掛けたまえ。」
 私はかなり緊張していた。
 指導教授は私のこれまでの研究内容、今後の研究計画などを知って積極的に評価し、自分の方から私の指導をしたいことを表明されたとのこと。
 「君はクリスチャンだね。どこの教会に行っているのかね。」
 教会名を答えると、
 「これは奇遇だね。私は尾山先生もO君もよく知っているんだ。お会いしたら宜しくお伝え下さい。」
 後でわかったことだが、指導教授は学部時代は早稲田大学KGKの指導者として活躍し、その時に、尾山先生をよく講師として招いてお世話になったとのこと。そして、その頃、O牧師は指導教授の導きもあってクリスチャンになったとのことであった。
 私はこのことを知って、指導教授に、親近感をもつようになった。神様が備えてくださった指導教授であることが明白であった。

   打ち解けた雰囲気になった所で、彼は、さらに、私が予想もしっていなかったことを話された。  

 

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