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著者プロフィール


ライフワークの発見と実現


黒川知文

生活を変える

 高い目標をもつと、それを達成するために生活を変えていかなければならない。目標は人を変える。生活を変える。目標を達成するには、生活を無駄のない合理的な生活へと変える必要がある。
日中は大学や神学校での講義や委員会活動などの雑事におわれる。帰宅すると子供の相手をして、子供が寝ると疲れてテレビを見る。その頃、そのような毎日を送っていた。気がつけばテレビのニュースは九時、十時、十一時と三回漫然と見ていた。これでは研究する時間をどこにとったらよいのだろうか?
 そのように煩悶していた頃、K姉から電話があった。K姉と指導教官は決まって深夜の十一時前後に電話をかけてくる。K姉はキリスト者でイスラエル留学時代以来交流している。東大講師のK姉は信仰と研究の友である。これまで、なぜか困った時に、決まって彼女から電話がかかり、適切な助言をしてくれるのであった。
私は研究時間をいつとればよいか尋ねた。彼女は、五十余年の人生経験と専門の研究(彼女は医学博士)から即座に答えてくれた。
 「朝があるじゃないの。朝が。三時に起きて研究したらいいじゃないの。朝は大脳生理学的に言っても研究に最適なのよ。能率よく研究でき、朝型人間は健康的でずっと長生きできるのよ。静かだし空気もきれいだし電話もかからず邪魔されずにできるし。朝、しっかりと起きてがんばりなさいよ。」
 「Kさんは今も早朝に研究しているのですか。」「今はやっていない。昔、学位論文を書いていた頃そうしてたわ。」
 独身ではあるが自分の子供に語るように彼女は助言してくれた。
 そうか。朝か。朝なら結構はかどるかもしれない。そのことに全く気がつかなかった自分が馬鹿に思えた。
 かくして一九九三年四月より朝五時に起きて研究することにした。
 私の家の近くに来見寺という寺がある。その境内にある鐘が毎朝五時にうたれる。それを聞いて目を覚ます。まだ暗い。 聖書を読み、祈り、書斎にはいって文献を読む。なるほど短時間でかなりの量を読み込むことができる。もっとも眠たくてはかどらない時もあったが。また起きるのが六時になる時もあった。しかしどうにか朝に研究する習慣となった。
 夜早く寝ることよりも朝早く起きることを心がけた。朝早く起きれば自然と夜は早く寝ることになるからだ。時には小学校入学前の娘が起きてぼうっとして書斎に姿をあらわすこともあった。新しい生活への期待のためか早く目が覚めてしまうようであった。
 ものごとはそれに着手した時すでに半分は完成したにひとしい。

   早朝研究は一年間続き、早朝だけで自分の研究に関する最近の英語の研究書と研究論文のほとんどすべてを読み込み、要点をワープロに記録することができた。  

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