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著者プロフィール


ライフワークの発見と実現


黒川知文

学位授与の日

一九九五年三月二九日水曜日。私の生涯にとって記念すべき日。
  家族とともに本郷の安田講堂に向かった。よく晴れた朝であった。安田講堂は前年から修復が完成して学位授与式や卒業式に使用されていた。
  広い講堂の一階には若い修士と博士が緊張して席についていた。私もその中にはいり席に着いた。講堂の二階には父兄や友人がにこやかな顔をして座っている。立っている人もかなりいる。
  各学部の代表者に学位が授与された。代表者には女性や留学生もかなりいた。はりつめた喜ばしい雰囲気。
  やがて吉川弘之総長の訓話があった。総長は明治時代以降の日本の歴史と学問との関係を述べて、権威主義的なエリートではなく、機能的なエリートとして日本社会を変革していくことを勧められた。まだまだ封建的な日本社会、上に逆らえない体質、権威者に滅私奉公する古い社会。これでは真の意味での近代化は実現できない。私はまったく同感であった。
  「君たちはみずからの学問研究をさらに展開する一方、このような日本社会をどんどん変革していってほしい。そして君たちにはそれができるのです。」
  総長の結びの言葉は私に対する大いなる励ましと思われ、神様に感謝した。
  授与式の後、研究室にて四人に修士号、私に博士学位記が指導教授より手渡された。正面に三人の教授、右には家族。まわりに大学院生たち。その後、山上会館で祝いの食事会となった。
  神様にしめされるままに歩むこと。みずからの心の中にある内的促しに従い、計画を立てて、優先順位をつけて今すべきものに集中し、勤勉で怠らずに祈りながらひとつひとつ障害を乗り越えていく。このような歩みをする時に、神様は奇跡を起こしてくださり、不可能を可能にしてくださった。とりわけ試練の時に神様は多くの恵みをあたえてくださった。試練は恵み、苦難は祝福である。

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