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著者プロフィール


ライフワークの発見と実現


黒川知文

シュヴァイツァーに学ぶ   >>シュヴァイツァーの生涯(PDFファイル)

4 神からのヴィジョン

 1896年の春、21歳になったシュヴァイツァーは、ペッテコステの休暇時に故郷にいたが、神からのヴィジョンを受ける。後年以下のように記している。
  「わたしは、目ざめて、ふと、この幸福は自明のこととして受けとってはならない、それの礼として何らかのかたちで自分からも与えることがなくてはならない、という考えにとらわれた。この考えを思いめぐらしながら、起床前の一時、窓の外に小鳥のさえずりを聞きつつ、静かに沈思して、ついにこう決心したのであったーーー自分は三十歳になるまでは学問と芸術のために生きる権利があると考えよう、それから後は人間への直接の奉仕に一身を捧げよう、と。「いのちを得るものはこれを失い、わがため、また福音のためにいのちを失う者はこれをうべし」というイエスのことばは自分にとっていかなる意味をもつものか、と、思いわずらったことは、これまでもじつにしばしばあった。いまやその意味が見いだされたのである。外面の幸福にくわえて、今や内心の幸福をも私は得たのであった・・・ただ、たとえどれほどじみな仕事でも、直接、人間に働きかけるものでなくてはならない、ということだけははっきりしていた。わたしの気持ちは、完全に個人的で独立した活動をのぞんでいた。究極的には個人として自由人として献身できる仕事を見つけたい、と言う希望は捨てなかった」
  シュヴァイツァーがこのように自らのライフワークを発見したことで、重要なのは以下の点で或。
  第一に、神様から与えられた恵みに感謝して、それを他の人々にも分かち合いたいという極めて信仰的な動機にもとずくものであった。
  第二に、聖書の言葉が、決心へと促した。このマタイ福音書16章25節は、フランシスコ・ザビエルの生涯を決めた言葉でもある。この聖書の言葉により、30歳までは自分のために、それ以降は他者のために、ひいては神様のために人生を送るという、おおまかな人生計画が立てられた。
  第三に、そのような人生計画が実現されるには、具体的には「完全に個人的に独立した活動」ができる職業を条件としていた。

 

シュヴァイツァー

(シュヴァイツァー)


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