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ライフワークの発見と実現


黒川知文

シュヴァイツァーに学ぶ   >>シュヴァイツァーの生涯(PDFファイル)

11 医学・説教・教育・研究・演奏の日々

 29歳から37歳までの8年間は、多忙の日々であった。医学部での学びを中心とするが、聖トマス教会牧師として説教と信者の教育にあたる。また大学教員としても神学を研究し、さらにパイプオルガンの演奏と研究をしていく。

 目標達成への最短な道
  シュヴァイツァーにとって、医学の学びが最も大変であった。30歳をすぎてから医学に関する多くの知識を覚え、また解剖などの実習もしなければならない。私の娘は今年医学部2年になるが、入学して以来、ずっと医学の学びに集中している。週日はもとより日曜日も、礼拝後に友人と図書館で分厚い医学の専門書の何冊かを読み込む。解剖実習の期間は相当疲れて帰宅する。もちろん医学の学びが楽しいとは言っているが、大学受験生時代の延長の生活になっている。娘21歳。シュヴァイツァーは30過ぎだ。

 試験に必要な知識を獲得することは、けっしてらくではなかった。いかに対象に興味をいだいていたにせよ、三十を越えた男の記憶力は二十歳の学生のようにははたらかない、という事実だけは、どうすることもできなかった(『シュヴァイツァー選集2』116頁)

 シュヴァイツァーが医学の学びにいかに苦労したのかが分かる。
  シュヴァイツァーは34歳の時に、解剖学と生理学等の試験にかろうじて合格した。36歳の時に、医師国家試験に合格した。これらも簡単に合格したのではなかった。

 最後の数週間というときになって、ようやく、同級の学生の勧めにしたがって、「試験勉強組合」に加入して、教授たちは、学生の統計にしたがえば、ふつうどのような質問を発するか、また、どのような返事をすれば有利であるのかを知ったしまつであった。(同)

 一人で学ぶのには限界がある。そこで、学生とグループを組んで、医学の試験に備えたのであった。大学教員という立場を捨てて、年下の学生に教えてもらったのである。
  恥や外聞を捨てて、医師国家試験合格という目標を達成するのに最も合理的な道を選ぶ。
  目標達成への最短距離を希求して、合理的に生きる。このことを私たちも学びたい。

 その試験のころは、いままでに思いだすかぎりでもっとも苦しい疲労期におちいってはいたが、試験は予期したよりはるかによい結果をえた。(同,117頁)


 

シュヴァイツァー

(シュヴァイツァー)


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