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テモテ・コール
著者プロフィール


家庭と仕事 

テモテ コール執筆 ファミリー・フォーラム代表


●結婚って困難だっけ? 第二号

 最近までの日本のほとんどの結婚式では、偽のウェディングケーキが使われてきました。ケーキの形に作られ、塗られているダンボールに新郎新婦がナイフをさすか、あるいは、良くても一箇所だけにケーキの一切れが入っていて、その他の部分は偽物であったりしました。しかし、アメリカのウェディングケーキというのは、結婚したばかりの夫婦が共に分かち合う最初の食事を象徴しています。また、夫婦として、お客様に対するおもてなしの最初の表れも象徴しているのです。私は多くの結婚式に参加していますが、残念ながら本当においしいウェディングケーキを食べた経験はほとんどありません。おいしいケーキを作るためには、もちろんその材料も、またケーキを作るプロセスも大切です。それと同じように結婚も、まず二人が備えている人格的な素材や相性、プラス、結婚にいたるプロセス、そのすべてが後の結婚生活に大きく影響するのです。

 もしも、材料の中に腐ったりんごや古くなりすぎたナッツが入っているならば、どんなに他の材料を付け足して、その味を消そうとしてもケーキの味は直りません。それと同じように、まず、結婚関係に暴力や激しい怒り、何らかの中毒、あるいは診断と治療をされていない精神的な病、といったような材料を持ち込むとするならば、夫婦関係も必然的に困難になります。そういう状況の方はまず自分の状況を正直に、現実的に、認めなければなりません。次に「彼のせい」、「彼女の問題」として考えるのではなく、「私たちの問題」としてアタックしなければなりません。そういう問題は夫婦が二人だけで取り組もうとしても、おそらくあまり進歩が見られないでしょう。親しい友人、家族の者、牧師、仲人さん、医者やカウンセラーなどの方々に助けてもらいながら、長期的な解決を求めることが重要です。

 ケーキの話に戻りますが、材料そのものはまったく悪くなくても、その組み合わせが悪いと、たとえケーキは食べることは可能かもしれませんし、場合によってはとてもヘルシーなケーキになったとしても、それはとても妙な味で、ケーキ全体を捨ててもう一度作り直したい誘惑が生まれるでしょう。以下のリストの中に難しい材料の組み合わせが含まれています。みなさんの結婚相手がどのように当てはまるかをチェックしてみてください。

・ 朝方⇔夜型
・ エネルギーがない⇔エネルギーがある ( ・ 積極的⇔消極的 )
・ 都会系⇔アウトドア系
・ 買い物が好き⇔節約が好き
・ おしゃべりが好き⇔言葉数が少なく沈黙が多い
・ 音楽を聴いたり本を読んだり文化的な催しものに参加することを好む⇔スポーツや友達とわいわいすることが好き
・ 大雑把⇔神経質

 といったように、お互いに対照的な特徴を持った人々が結婚するならば、出だしからそういった違いが摩擦のポイントになるに違いありません。自分と結婚相手がこのリストの中でどのように違うのか。違うところがいくつもあった場合には、その違いは、夫婦関係の中にストレスを生むことを意識しなければなりません。だからといって、夫婦関係を成功させることができないわけではありません。しかし、共に調和を保ってやっていくためには、それなりの努力や工夫が必要になるでしょう。

 更に、ケーキの元になる材料が良くても、材料の組み合わせがぴったりであっても、ケーキ作りの過程に問題があれば、ケーキはおいしく出来上がりません。同じように、結婚にいたるプロセスは場合によっては、後の夫婦生活に問題をおこす可能性があります。

たとえば、二人が出会って、結婚することが若すぎる場合があります。ある心理学者たちの調査によると、一番離婚率が少ない結婚年齢を28歳といっています。なぜ28歳なのかというと、28歳になるまでにはほぼその人の人格と、その人の生き方が、ある程度固定されているからです。18歳や20歳前後で結婚した場合には、大人として、やがてその人が生きていくあり方は、まだ流動的であると考えてもよいでしょう。ですから、あまり若くして結婚しないことをお薦めします。

 結婚する前に、他の人であっても、自分が結婚しようと思っている相手であっても、同居したり、性関係を持ってしまったりすることも、後の結婚生活において、さらにストレスを加えることになります。統計から見ても、結婚する前に、同居やセックスを既にした人たちの離婚率のほうが、結婚まで待つ人たちの離婚率をはるかに上回っているのです。

 結婚にいたる過程の、もう一つの大きな問題は、知り合ってからあまりにも早く結婚してしまうことです。たとえば、出会ってから2・3ヵ月後に婚約し、さらに2・3ヵ月後に結婚してしまうとするならば、まだお互いに欠点を隠し、自分の良いところだけを相手に見せることができますが、ゆっくりとあらゆる場面で互いのあり方や、反応の仕方を良く見ながら、深く相手を知ることができるならば、お互いのボロが見えてきます。すると、本当に一生この人と結婚生活をやっていけるのか、ということについて理性に基づいた判断ができるはずです。

 最後に、結婚する動機も大切なプロセスの要因ではないでしょうか。自分の家から逃げ出したい、自分が愛情に飢えていて孤独でしょうがない。あるいは、赤ちゃんができちゃった、などのような理由は結婚する健全な動機とは言えません。さらに、自分が幸せになりたいから、あるいは、自分の必要を満たしてもらいたいから、というのも間違った動機なのです。結婚関係は自己中心な態度や動機を許しません。ですから、この人なら自分は一生ついていける、この人だったら自分は一生仕えていきたい、この人を自分は一生愛していきたい、というような、自分よりも相手を大切にする動機から結婚に入っていかなければ、必ず多くの問題が起きるでしょう。

 大事なことは、人は結婚したから本質が変わることはないと言うことです。私のことを愛してくれていれば、きっと彼は変わるだろう、きっとアルコール中毒は治るだろう、きっとギャンブル中毒は治まるだろう、私と結婚すれば浮気はしなくなるだろう、などと考えているなら、それは大間違いです。結婚すれば暴力や怒りはきっとなくなるだろう、あるいは、私の良き話し相手になってくれるだろう、といった期待も、まずがっかりさせられるだけです。そのままの状態で、この人と一緒に結婚生活を続ける覚悟をもたなければ、もともと結婚しないほうがよいのです。といっても、読者のみなさんは、ほとんどが既に結婚しているかもしれません。だったら今さらどうするの?と思う方もいるかもしれません。私は結婚するときに失敗してしまった、間違った人と一緒になってしまった、だからこれを読んで離婚することを決めました、というようなことは言わないで下さい。そうではなく、今までの話によって、なぜ自分の夫婦関係が困難なのか分析し、そしてこれから、解決の対策を考えていくきっかけにしていただけたらと思います。自分の今の結婚の問題や、困難に関係するような要因が、結婚にいたるまでの人格的な素材やそのプロセスの中にあった場合には、今からでもそれらを直せるものなら直していきましょう。直せないものなら、どのように自分がそれに耐えていけるのかを考えていきましょう。

 何故すんなり別れないのでしょうか。何故幸福でないのに一緒にい続ける必要があるのでしょうか。その答えは次回まで待っていただきましょう。

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