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著者プロフィール



こころと魂の健康
 
 

渡辺俊彦氏


人間関係(T)

 私たちが生きていくために、欠くことのできないものの一つは人間関係です。しかし、残念なことに「現代人は人間関係が下手である」と言われます。人が人と良い関係を築きながら生きることが苦手な人は「生きずらい」と感じているようです。そして、自分の部屋に引きこもり内側から鍵を掛けてしまいます。ある方は、自分の心(精神)の部屋にひきこもり心の扉を閉めてしまいます。
  人間関係は技術(スキル)です。この技術は、生まれ育った家庭の人間関係の中で学習するものです。家庭の中で親兄弟との関わり方の中で学ぶのです。どんな態度をとると相手が怒るのか。どんな言葉を使うと相手が傷つくのか。どのように甘えるのが良い関係を築けるのか。また、愛されることを通して愛することを学びます。その中で赦すことも学ぶのです。このような体験を通して健康な人間関係を身につけていくものです。
  ところが、家庭の人間関係が精神的に互いに遠い存在になっているケースが少なくないのです。そこには、互いに助け合う関係や感情的なやり取りが欠乏しています。それは、互いがバラバラで調和のない自分勝手な生活をしているからです。また、互いの問題や違いを話し合い、解決し、乗り越えて行く経験がありません。そのため、個々人の内に不満や怒りが蓄積され互いの関係を破壊してしまいます。このような環境の中で育つと精神的安定感、信頼感が欠乏し情緒的窒息状態になってしまいます。いつも、自分を無価値な存在、愛される価値のない存在として自分を評価するようになってしまいます。また、自己不信、自信喪失、相互不信で苦しむのです。そして、歪んだ甘えの姿で関係を求めるようになります。このような人は、人格的に成熟することができません。このように、人間関係の技術は家族のコミュニケーションの質が鍵であることがわかります。
  よく質問される事柄に次のような問いがあります。「『三つ子の魂百まで』と言われますが子どもが三歳になるまで専業主婦として子育てに集中しないといけないのでしょうか」という内容です。私は、いつも次のように答えます。世の中には専業主婦として子育てに専念しても問題の行動や反応をする子どもがいます。また、共稼ぎで一所懸命に子育てをしてきた方々の子どもにも問題の行動や反応をする子どもがいます。一番大切なことは、コミュニケーションの質です。どのような関係を築いていくかですが・・・。
  コミュニケーションの技術を習得するには一生かかります。自分がどのような家族関係の中で育ち、どのような人間関係のコミュニケーション・システムを身につけたかを知ることです。その身につけたものが、感じ方、他者理解、自己理解の仕方を決定しているのです。また、罪責感さえ決定してしまうものです。ここで注意しなければならないことは、聖書の罪と良心からくる罪責感を区別することです。
  さて、私たちは、ありのままに受容する真の愛、尊敬、信頼、赦しなどを家族の中で身につけるものです。また、本来私たちは、神の家族である教会の交わりの中でありのままを受容されることを学ぶのです。教会は、神がご自身の血をもって買い取られた共同体なのですから・・・
  最後に「吟味されない人生は、生きるに足らない人生だ」と言ったソクラテスの言葉を思い出しました。互いに吟味しましょう 。

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